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2014年3月1日土曜日

ブッダガヤ茶会記

 それは、とてつもなく長い露地渡り(※註1)となった。
 2006年2月12日午後1時。関空発エアインディア香港経由に搭乗。香港まで約4時間。そして、1時間半ばかり駐機時間。なんと、エアインディアは、機外へ出してもらえない。中国人の掃除のおばさんがいっぱい入ってくる。何処に、身を置けばよいのか・・・。


2014年2月21日金曜日

源氏物語の食文化

 源氏物語に出てくる食品数は、およそ100強。この数字は衣食住の記述の中でも極端に少ない。衣とくらべて三分の一にもみたない。この事は、平安貴族社会において「食」が軽んじられていたであろうという推論の根拠とされている。確かに当時の宮廷料理は、その料理人を「包丁」と称したように、切る、干物にするといった事が主な調理方法であり、食事の時々に各々が塩、酢などで味付けして食味に関してあれこれ言うのはよしとしなかった。



「平沙に子を産みて落雁の儚や親は隠すと-善知鳥 -」

 落雁は、糯米を炒って粉末とし、砂糖を加え木型で押した菓子である。寺院の供物、神社の祭礼の御神餞、またその撤餞(おさがり)として使われてきた。
茶席において濃茶のための主菓子は、床の軸を受け、また客にあわせて一席ごとに作られる。抽象的な意匠により、主客の精神的な交感をもたらす。落雁はこの濃茶のあとに出される薄茶のための菓子である。干菓子盆上の主役となる落雁は、有平糖(ありへいとう)、洲浜(すはま)、煎餅などと組み合わせて季節を表現する。薄茶は、茶席という非日常空間から日常に客を戻す役割をもち、そのため干菓子は具象的で簡単なものがよい。その代表が、型押ししてつくる落雁である。